幼い頃からの従者に着替えをしてもらっているうちに目覚めてしまうお話し
※この記事の登場人物は二人とも二十二歳です。
そろそろ夜会の準備をしましょう。
かしこまりました。姫様。
では失礼いたします。
本日の衣装は、ユリウス伯から献上いただいたドレスでよろしいでしょうか?
そうですね。それで構いません。
あの….前からお尋ねしたかったのですが、…あなたはなぜ着替えの時は前屈みになられているのですか?
どこか体を悪くされてはないですか?
いえ、….それは…..。体調には問題ございません。
それであれば良かったですわ。
あなたは幼ない頃からの従者ですけど、いずれ私の騎士になるのですから、堂々と背筋をお伸ばしになってください。
日頃の姿勢って大事ですわよ。
姫様、本当にいいんですね。ではまっすぐ立ちますよ。
気づいてしまった姫のお話
あら、あなた、服の中に短刀が入り込んでませんか?
何か膨らんでますわよ。
あの、これは、その……いわゆる……..
あっ…..
ひょっとして….
申し訳ございません。
幼い頃からのお付き合いとはいえ、私もそういう年齢でして。
姫様の魅力にはどうしても抗らえず…
ええええええ?いつから?
かれこれ1年ほど前からでございます。
そもそも、市井の娘達は、姫様の年齢であれば肌は見せぬものです。
でもあなたとは子供の頃から一緒じゃないですか?
それでもいつまでも子供同士というわけにはまいりません。
えー、なんかずるいなぁ。君だけ一足先に大人になってるみたいで。
姫様、お言葉が乱れてますよ。
いいじゃないですか。私とあなただけなのですから。
ねぇ、男の人ってどんな感じなの?やっぱ触ってみたかったりするの?
はい…その通りでございます。
でも、君、いっつも着替えの時に私の肌には触れてるよね?
それはそうなのですが、その程度ではとても事足りぬ、との感情を持ってしまいます。
そうですか。
であれば、今日は好きなだけ触ってみてください。
…姫様?
私もいつまでも無知なままではいられません。
男性の部下の方が多いわけですから、男性をちゃんと理解しておくべきなのです。
では失礼いたします。
おお、優しく撫でるんだねぇ。
きゃはっ! くすぐったいですわ!
(無言で撫でまくる、主に胸を)
あの、…..あの…..
なんでしょう、姫様。
あの….まだ続くのですか?
はい、姫様。まだまだにございます。
そ、…そうですか…。
あの…..
どうなさいました、姫様?
あの、ですね。なんだか、これまでの人生で感じたことがないような感情になってしまいまして…。
それは如何なる感情でしょうか?
その、それは…あの….一旦やめてもらえます?
何故にございましょうか?
とにかく、一旦、やめて?
姫様は「好きなだけ」とおっしゃいました。まだまだ不足でございます。
取りやめるのであれば、その理由をご説明いただきたい。
は….恥ずかしいかりゃっ!!!!!!!!!
姫様、今、噛みました?
う、うるさい、恥ずかしいからっ!!!手を止めて!
止めませぬぅぅぅぅぅぅぅ、姫様!
なんで、あたかも一命を賭して王に諫言する時の感じなの?
あの、もう、本当に…..
あの、姫様。これって胸以外も触ってもよろしいんですよね?
えっ?ええっ?
そ、そこは…….!
( モゾモゾ)
ん…….。ん………..っっっっっっっっっ!!!!!!
万願成就いたしました。では、やめにいたしますか….。
え、….あの、もうちょっと触ってみていいですよ。
なんだか、あなたの感情がもう少しでわかりそうでして…..。
ご命令とあらば….
命令というか、お願いというか….
ではお願いしてみてください。
あの、….もっと…触って….ください…..